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ギフティングをリアルデータから考えてみた

この記事で書きたいことは、大筋以下のような内容です。

  • 自社商品でギフティングを4商品で行った時のリアルデータの紹介
  • ギフティングが上手くいくかは商品力と送るメッセージで決まる
  • 商品を紹介してもらえることと、実際に商品が売れるかは別物
  • 直接的な成果だけではなく、間接的な成果も含めないと、ギフティングは価値がない

よろしくお願いします。

さて、書きたいことはほとんど最初に全部書いてしまったので、あとはざっくばらんに行きます。

本記事の前提

私の会社で販売している商品は、1万円から2万円の商品です。またターゲット層は40代以上になっているため、必ずしもすべての商品に当てはまるデータとはいかないことは承知の上で読み進めてください。

そして、本記事におけるギフティングの定義は
「商品の提供だけで、紹介してくれること」とします。

なので、お金を払って商品を紹介してもらう(いわゆる案件)は除きます。

ギフティングの壁は3つあると思っています。

  1. 良い商品紹介をしてくれるインフルエンサーさん探し
  2. ギフティングを引き受けてくれる方を見つけること
  3. 紹介した商品が売れること

この中で重要なのが2です。

「紹介した商品が売れること」を重要視したくなりますが
追い求めてはいけない指標だと思っています。(後述)

なので、本記事ではいかに
「ギフティングを引き受けてくれる方を見つけるか」に焦点を当てて書いていきます。

4商品でギフティングを行った反応の実データの紹介

冬物ベストの商品

アプローチ数紹介OK数OK割合
Youtube23313.04%
Twitter341235.29%
Instagram331236.36%

DIYの商品

アプローチ数紹介OK数OK割合
Youtube4436.82%

子ども用寝具の商品

アプローチ数紹介OK数OK割合
Instagram12433.33%

買い物サポートの商品

アプローチ数紹介OK数OK割合
プログ8337.50%

上記の結果と、実施した肌感覚から以下のように考えています。

  • ギフティングが上手くいくかは商品力と送るメッセージで決まる
  • OK率が高いのはInstagramとTwitter
  • ユーザーの反応が高いのはYoutube > Instagram > Twitter

商品力と送るメッセージを高める

紹介する人のメリットを考えると、どうしたらギフティングのOK率が上がるかは明確です。

  1. 欲しい商品がもらえると思ってもらうか
  2. 紹介すると自分の媒体にメリットがある商品だと思ってもらうか

それぞれに対応するギフティングを依頼する側ができる対策が
商品力と送るメッセージです。

商品力

これは言わずもがなですね。
欲しいと思ってもらえるような良い商品だとOKされやすいです。

数値が良くなかったDIYの商品は
正直使う人を選ぶ玄人向けの商品でした。

なかなか合致するインフルエンサーさんがいなくて
良い商品だと思ってもらいにくかったので
苦労しました。

インフルエンサーさんウケの良いかという意味で
欲しいと思ってもらいやすい商品であることが重要です。

送るメッセージ

仮に、インフルエンサー様本人に欲しいと思われにくい商品だとしても、
紹介するメリットがあると感じてもらえれば
OKしてもらえる可能性が高まります。

買い物サポートの商品はまさにそれで、
商品開発のコンセプト的に
ブロガーさんの年齢層とはマッチしてないと思っていました。

しかし、

  • Makuakeでヒットした商品であること
  • メディア露出が増えて口コミサイトへの流入が増えることが予想されること

この2点を送るメッセージに加えたところ高いOK率を出すことができました。

ギフティングで実際売れるのか

結論から言います。
直接CV計測では売れません。
ただし、間接CVでは効果が見込めます。

「紹介した商品が売れることは追い求めてはいけない」
というのはこれが理由です。

例えば、Youtubeで商品を紹介してもらったとしましょう。
施策をやる側としては、
概要欄に商品サイトのリンクを入れれば計測できそうな気がします。

しかし、視聴者側で考えてみてください。
「Youtubeで紹介された商品を概要欄のリンクから直接買ったことありますか?」

まずないと思います。

仮にYoutubeで紹介された商品を買ったことがあるとしても、

  • いろんなYoutubeを確認してから買ったり
  • Amazonや楽天で検索してから買ったり
  • Google検索で商品名を検索してから買ったり
  • 店頭で商品を見つけて買ったり

という感じで、直接CVにならない形で購入することがほとんどだと思います。

ましては私がギフティングした商品は
ある程度比較検討を必要とする金額感なのでなおさらです。

だから、直接CVだけでギフティングの評価をできません。
直接CVで成果を判断すると、やらない方がいいという結論が100%出てきます。

ギフティングも商品原価や発送料金や工数がかかりますからね。

実際、律儀に直接CVを集計していた冬物ベストの商品の直接CVは1件でした。

間接効果を見込むアイデア

直接CVで計測できないといっても
ある程度、販売に効果があるのか?
それとも無意味なのか判断したいですよね?

そのためにやれることは一応あります。

  • 紹介してくれる人の投稿に貼る専用の割引コードを発行する
  • 紹介日前後の売れ行きの向上を見る

とはいえ、これらの方法も万能ではありません。

私の会社では、メディア露出をたくさんやっている関係上、
売れ行きの上下はよく起こるので、
ギフティングの成果かどうかわかりません。

専用の割引コードの発行も
商品販売の戦略上できません。

結局、このレベルの正確性のデータしか取れない以上、
上手くいっているかは肌感覚に任せるしかないのが
ギフティングの辛い部分です。

それでも私はギフティングをする

計測して上手くいった施策だけを拡大するというWEBマーケティングの定石からすると、
一見ギフティングはやりづらい施策のように感じます。


それでもギフティングには大きなメリットがあります。

  • ユーザーが検索した時の参考情報が増える
  • ギフティングを通じて使った人のリアルな感想を知ることができる
  • 二次利用できる素材が増える(事前の許可は必要)
  • 上記メリットがあるにも関わらず、かかる費用が格安

さらに詳しく知りたい部分があるという方は
TwitterのDMをいただれば
答えられる範囲で答えたいと思います。

今日伝えたいことは、こんな感じです。
ありがとうございました。