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ヒートマップによるLP改善の限界

商品LPの改善には、ヒートマップ分析が大事だと言われています。

ヒートマップで本当にわかること

ヒートマップツールは、サイト内のユーザー行動を分析する解析ツールの1つです。サイト訪問者の目線の動きやマウスの動き、熟読時間などの情報を色分けして確認できます。

定量的にLPを分析できるので、データに基づいた改善策を考えたり、複数人で次の一手を考えたりするのに向いていると思います。

しかし、本当にLP改善(LPO)において、ヒートマップよる分析だけで十分なのでしょうか。

株式会社デジタルアイデンティティの『デジタルマーケティングブログ』の中で解説されています。以下、記事の引用です。

ヒートマップツールは「ページ内にある要素が見られているかどうか」を知るためのツールなので「今のページ内にない要素」に関しては知ることができません。

つまり、ユーザーが「情報が足りない、もっと知りたい」と感じている場合、ヒートマップではその情報を発見するのは難しいといえます。

例えば、ヒートマップで「この要素が見られている」とわかったとします。しかし、「なぜこの要素が見られているか」「その要素を知ることがコンバージョンに繋がるか」ということまでは知ることができません。

https://digitalidentity.co.jp/blog/analytics/heatmap.html

私も同意見です。

ヒートマップ分析は今のページ内にない要素についての情報は皆無です。今ある要素に対しても、見られている理由やコンバージョン(成約)につながっているかはわからないんです。

あくまで、今ある要素が見られているか、見られていないか、だけしかわからない不完全なツールなんですよね。すごく当たり前ですが、LP改善のために、ヒートマップを導入している中でと、この目線を忘れてしまうことが良くあります。

今ある要素をなんとか頑張って改善をしても、得られる改善幅は限られています。もっと大きな改善幅を成果として得たいならば、もっと踏み込んで考える必要があります。

N1分析を取り入れる

以前、私はある商品のLPのCVR(コンバージョンレート、成約率)の120%向上を目標としたLP改善のプロジェクトを行ったことがありました。

ヒートマップ分析を行いましたが、具体的な改善策を導き出すことがなかなかできませんでした。私の会社はテレビ通販の会社で、LPの内容はTVで紹介している内容をすべて盛り込んでおり、要素としてはすべて足りているというのが社内の共通認識でした。

そんな中、西口一希さんの『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』を読み、N1分析に出会いました。

本の中で、お客様の行動背景を徹底的に理解することに重点が置かれていたので、社内で初めて自社ECサイトで購入されたお客様にWEBインタビューを行いました。

インタビューを行ったところこんなことがわかりました。

お客様が重視していたのは信頼。しかし、今のLPでは伝えきれていない。

私の会社では、商品を購入したお客様に30日の返品保証と1年間の商品保証を行っており、LPにも記載済みでした。私も含めて社内の認識としては、十分伝わっていると思っていました。

しかし、実際はそもそも把握していなかったり、把握しているお客様だとしても返品保証しかわかっていなかったり、と十分でありませんでした。ヒートマップではそれなりに見られているとなっているにも関わらず、、、

改善点が明確になったので、そのとおりにLPを改善したところ、目標のCVR120%改善を達成することができました。

 大事なのは定量と定性の両面

他の商品や施策でもN1分析をすることで、次の一手が見えやすくなりました。お客様が次の一手のヒントや答えを教えてくれるからです。

ツールに質問することはできませんが、お客様へのインタビューならば、質問してすぐに改善点について意見をもらえます。

お客様をまとめてデータとして見るのでなく、1人の人間として深く理解しようとする姿勢は、サイトの作りやマーケティング施策に無意識で反映され、お客様にプラスに伝わると思います。

大切にされていると感じたお客様は、最終的にあなたの求める成果につながる行動も起こしてくれやすくなるでしょう。

定量的な分析だけではなく、 N1分析による定性的な分析の両面で考えることによって、より高い次元の改善をすることができるというお話でした。